
片山さつき氏(以下、片山): まず、最初に先方に確認したんです。「今回、私のほうから、(吉本さんを)呼んだわけではないですよね」と。
5月2日(※片山議員が、自身のブログで、今回の問題を追及する旨を報告した日)の夜遅い時間に、吉本の代理人弁護士から私の携帯電話に直接「河本さんの
一件で説明したい」という連絡をいただき、受給を認めた上でいくつか理由なことをおっしゃるので、「その説明ではとても納得はできない」と伝えたら、日を
改めて議員会館に伺いたいと先方がおっしゃった。
翌日から私は米国出張だったんですが、「では、6日に帰国してから時間設けますから、できるだけ早くご連絡いただければ、こちらも対応します」と答えたところ、帰国後もなかなか連絡が来ない。
で、やっと返事が来て、いくつか希望日を出されてましたが、いちばん早い18日に私と世耕さんが万障繰り合わせて対応しました。
つまり、こちらとしては事情説明があるなら、一刻も早く聞こうという姿勢で対応したんです。
18日にお会いした時、「なんでこんなに遅れたのですか?」と聞くと、「誰が行くかなどを調整していました」と言っていましたね。
――吉本は、どんな雰囲気で話をしてきたのですか。
というのも、吉本側は公式コメントとして、「片山議員や世耕議員が(河本氏の)親族側の事情も十分に確認しないままに実名をもって批判的な発言をしたこと
は非常に悲しい」「重大な人権侵害」とまで言って非難をしていたわけで、そういう強い言い方での抗議は。その場ではあったのですか?
片山: いやいや、18日はそんな言い方ではなかったです。
強い言い方というより、どちらかというと、何か言いにくそうなというか、遠慮がちな話し方で。
だって、「十分な確認もしないまま」というけど、こちらは人を介して現地調査までしているわけで、事実確認をしているわけですからね。
そう話したら黙っていましたけど。で、とにかく説明をしたいようなので聞きましょうと。
そしたら、(母親の)受給については、平成12年か13年からずっと続いてきたと。そして、今年の4月の半ばに初めて週刊誌報道があり、驚いて辞退したのだそうです。
あとは、年収5000万円と報じられているが、そんなに稼いでいないということと、売れ始めたように見えた時期も収入は安定していなかったので金銭的な支援は難しかったのだと、最初に電話で話したことを一部繰り返してましたね。
――収入については所得証明や納税証明などの証拠書類は提示してきたのですか?
片山: そういうものは一切持ってこなかったですし、口頭でも「年収はいくら」という具体的な開示はなかったですね。
あと、福祉事務所から毎年一回、河本さんに電話で「仕送りをもう少し増やすなりできないか」などの照会があったそうで、そのたびに「今はまだ無理」と対応していたそうです。
福祉事務所からは電話だけだったのかと聞いたら「そう聞いています」と。
一回だけ仕送りを増額したと言っていましたが、その額も具体的には言いませんでした。
――せっかくの説明の機会だったのに、証拠書類も出さずに、正確な数字も把握していなかったと。
片山: とにかく具体的な提示はなかったし、我々を納得させる新しい材料もなかったですね。所得証明はないのかと聞くと黙ってしまうし。
あと、母親以外に他の親族の面倒も見ていて、その親族が海外で治療を受けなければならなくて、それに多額の費用がかかるんだという話を、最初に電話がか
かってきたときに弁護士から説明を受けたわけなのですが、「その方は河本さんにとってどういう立場の方ですか?」と聞いたら、「私はそんなことは言ってな
い」と言う。
「いや、聞きましたよ」と言ったけど、「言ってない」と言う。「でも録音記録に残っていますよ」と言うと、また黙ってしまう。
もしかしたら、吉本や弁護士側も情報が取れていないのかもしれませんが、都合が悪いことは黙るという繰り返しでしたね。
結局、今回の説明でも「不正受給ではかった」と我々が納得できる材料はなかったので、「本件は黒ではなくグレーということはあっても、『白』ということはできません」と申し上げ、引き続き、この問題は追及していくことになります。
ただし、報道されているように、世耕さんが「道義的責任をとって、全額返済」を提案し、それを持ち帰ったので、その返答にもよりますが。
河本さんやお母さんは「私人」だからプライバシー侵害だとの主張は、繰り返していませんでしたか?
片山: していましたよ。だから、積極的に親を芸の売り物にして、著作のネタにもしている状況でね、それも無理があると話しました。
そもそも、個別具体例がなんらかの「事件」としてたまたま注目を集め、「これはひどい。制度を変えないと」と、政治や行政、世論の空気が醸成されないと、取締りや罰則の強化は前に進まないのですよと。
私は政治家になる前は、霞が関で行政官を長くしていましたから、その立場から言ってもそれが今までに起きてきたことですよと、そう申し上げたのです。
「姉歯事件」の時、事件当事者のさまざまなプライバシー的な情報が出てきましたが、誰かプライバシー侵害を訴えましたか。
年金保険料の有名人による未払いもそうですよね。みなさん、社会的責任をお取りになりましたと。
そしたらやっぱり黙っていましたけどね。いずれにしても、この問題は「パンドラの箱」だったのでしょう。
生活保護の不正受給問題は、弱者であると主張している人々に切り込まないといけないので、どちらかといえばタブーの部類に入るテーマでしたからね。
――確かに片山議員が告発しなければ、今回のような問題はしばらく世に出なかった話かもしれません。大手メディアは、最近まで全く報じていませんでしたし。
片山: だとしたらメディアも問題です。まぁ、私もこの週末(5月19、20日)に地方のいろんな県の団体に顔を出していたのですが、ほとんどの議員が生活保護についてひとこと触れていましたよ。
これを機会に、不正受給対策などについて、地方議会の一般質問でも聞いてみると言っていました。
「タブーがタブーでなくなったので」と。ここから制度が大きく変わっていく可能性もあるでしょうね。
結局、前回もお話ししたような制度や運用面の歪みから、「生活保護貴族」というものをこの国は生んでしまったんだと思いますよ。
それが民主党政権の誕生でより拍車がかかった。そういう構図なんじゃないでしょうか。

画像小さいですけど。
こんなやり取りが、彼の国では当たり前のようですね。
しかし、弁護士にもこういうのが居るとはとんでもない。